「婚約者だと名乗る錬金術師!?」不器用すぎる溺愛に癒される異世界ラブコメ！

『錬金術師さまがなぜかわたしの婚約者だと名乗ってくるのですが!?』は、葉月クロル先生による異世界ファンタジーラブコメ作品です。

本作は「小説家になろう」で連載され、2024年6月27日にJパブリッシングのレーベル「フェアリーキスピュア」から書籍化されました。イラストは茲助先生が担当しています。

📘 書籍情報

タイトル:錬金術師さまがなぜかわたしの婚約者だと名乗ってくるのですが!?

園芸部所属の日本の女子高生・中峰理衣沙は、事故に遭う運命だったところを、日頃お参りしていた稲荷大明神の加護を受けて異世界に転移します。

しかし、楽しく安全な世界に行くはずが、魔物の脅威にさらされる剣と魔法の世界に飛ばされてしまいます。

そんな彼女の世話役に名乗り出たのは、冷酷無情と名高い錬金術師長のアランフェス・ディアライト。

彼は理衣沙の小動物のような可愛さにノックアウトされ、勝手に婚約者を名乗り始めます。

理衣沙は特別な加護として授かった「箱庭」の力を使いながら、アランの指導のもとで異世界での生活を送ることになります。

物語は、理衣沙とアランの関係性や、彼女の成長、そして異世界での出来事を描いた、お気楽なお仕事系ラブコメです。

最初にこの作品のタイトルを見たときは「なんだか強引な婚約者ものかな？」とちょっと身構えたんですが、読んでみてびっくり。

まさかここまで癒されるとは思いませんでした。

巻き込まれる形で転生した先で、基本的に悪い人がいないので、安心して読めると感じました。

異世界に転移してしまった女子高生・理衣沙が、ちょっとズレた最強錬金術師に振り回されながらも、自分の居場所を見つけていく――そんな温かさに満ちた物語でした。

一番心に残ったのは、主人公・理衣沙の等身大の姿。

特別な戦闘スキルがあるわけでもなく、ただ「生きる力」と「植物を育てるやさしさ」だけを持っている彼女が、異世界でもしっかりと自分の価値を見つけていく姿に、思わず胸が熱くなりました。

とくにアランフェスとのやり取りが絶妙で、彼の一途でちょっとズレた溺愛っぷりには何度も吹き出してしまいました。理衣沙を「婚約者」と勝手に言い出すアランですが、それが無理やりではなく、どこか純粋で不器用なのがまたいい。

読んでいるうちに「このふたり、もっと見ていたい！」と素直に思えました。

また、作品全体に流れる空気感もとても心地よかったです。

理衣沙が神様から授かった「箱庭」の力を使って植物を育てる描写や、ちょっとした日常の風景が丁寧に描かれていて、読み進めるうちに自分もその世界の一員になったような感覚に。

危険がある世界ではあるけれど、それを恐れるだけではなく、「ここで生きていく」という決意に、理衣沙の芯の強さを感じました。

笑えて、癒されて、そして少しだけ泣ける。ラブコメとしての甘さもありながら、「異世界でも自分のペースでがんばる主人公」という新鮮さも感じられる一冊でした。ラノベはあまり読まないという人にも、この作品はやさしく迎えてくれる気がします。

「錬金術師さまがなぜかわたしの婚約者だと名乗ってくるのですが!?はなろうシリーズの異世界転生ファンタジーの書籍化ラノベです。

ズレた溺愛に笑って、植物の力に癒されて、少し泣ける。

基本的に悪い人が出てこないのて、安心して甘々な雰囲気を楽しめる素敵な一冊です。